外国人を中途採用する場合の就労ビザ手続きとは?

外国人を中途採用したいと考えたとき、
多くの企業の方が次のような不安を感じます。
- この人は、自社で採用して業務を任せても大丈夫か
- ビザの手続きは必要なのか
- 新卒採用と何が違うのか
新卒採用の場合は「留学」から就労可能な在留資格へ変更するケースが一般的ですが、
中途採用の場合は、すでに在留資格を持っている点が大きな違いです。
本記事では、外国人を中途採用する場合の就労ビザ(在留資格)の考え方について、
新卒採用との違いや、企業側が確認すべきポイントを中心に解説します。
なお、法律上は「在留資格」が正式な呼称ですが、
本記事では分かりやすさを優先し「ビザ」という表現を用いています。
外国人の「中途採用」とはどういう状態か
外国人の中途採用とは、一般的に次のようなケースを指します。
- すでに日本に在留している
- 何らかの在留資格を持って就労している、または就労予定
- 転職や契約内容の変更を伴う
つまり、新たに外国人を海外から呼び寄せるケースではありません。
このため、採用時点で重要になるのは、
「今持っている在留資格で、予定している業務ができるのか」という点です。
新卒採用と中途採用の就労ビザの違い
新卒採用と中途採用では、ビザ手続きの考え方が異なります。
新卒採用の場合
- 在留資格「留学」から就労可能な在留資格へ変更
- 初めて就労ビザの審査を受ける
- 学歴・専攻と仕事内容の関係が重視される
中途採用の場合
- すでに就労可能な在留資格を持っていることが多い
- 転職に伴い、在留資格の「変更」または「更新」を検討
- 仕事内容や企業の変更内容が重視される
中途採用では、
「すでにビザを持っているから大丈夫」と思い込まないことが重要です。
中途採用で企業が確認すべき在留資格のポイント
外国人を中途採用する際、企業側が最低限確認しておきたいポイントは次のとおりです。
- 現在の在留資格の種類
- 在留期間の満了日
- 在留資格で認められている活動内容
特に注意したいのは、
在留資格ごとに「できる仕事」が決まっているという点です。
予定している業務内容が、
その在留資格の範囲に収まっているかどうかを、
事前に確認しておくことが重要です。
なお、業務内容が在留資格に適合しているかを事前に確認したい場合には、
「就労資格証明書」という制度を利用できることもあります。
就労資格証明書については、別の記事で詳しく解説する予定です。
転職時の審査で見られるポイント
中途採用に伴い転職がある場合、
次のような点が審査で見られることになります。
- 新しい業務内容が専門的・技術的な内容か
- これまでの学歴・職歴と業務内容に関連性があるか
- 会社の事業内容と業務内容が整合しているか
なお、転職に伴って行う「所属機関に関する届出」は、
あくまで事実を報告する手続きであり、
その時点で在留資格の可否が判断されるわけではありません。
ただし、届出の内容は入管に記録され、
その後の在留資格更新や変更の際に確認されます。
同じ「技術・人文知識・国際業務」でも業務内容が変わる場合の注意点
同じ「技術・人文知識・国際業務」の在留資格であっても、
転職により業務内容が大きく変わる場合には、
在留資格変更許可申請が必要になることがあります。
例えば、通訳業務から営業職へ転職する場合など、
業務の性質が大きく異なるケースでは注意が必要です。
このような場合、就労資格証明書を取得しておくことで、
企業側としても、現在の業務内容で就労が可能かどうかを
事前に確認することができ、採用後のリスク管理につながります。
企業側が準備すべき書類と注意点
中途採用に伴いビザ手続きを行う場合、
企業側で準備が必要になる主な書類は次のとおりです。
- 雇用契約書
- 職務内容を説明する資料
- 会社概要や事業内容が分かる資料
単に書類をそろえるだけでなく、
「なぜこの業務に外国人を採用するのか」が
分かる形で説明できることが重要です。
中途採用で不許可になりやすいケース
実務上、中途採用で不許可になりやすいのは、次のようなケースです。
- 業務内容が実質的に単純労働に近い
- 職種名と実際の仕事内容が一致していない
- 会社規模や事業内容と業務内容が合っていない
これらは、
「外国人本人の問題」というより、
企業側の説明不足や認識不足によって生じることも少なくありません。
行政書士に相談すべきタイミング
中途採用に関するビザ手続きは、
次のようなタイミングで相談することをおすすめします。
- 内定を出す前
- 雇用条件や職務内容を決める段階
- ビザ申請を検討し始めたとき
早い段階で整理しておくことで、
後から大きな修正が必要になるリスクを減らすことができます。
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