留学生から「技術・人文知識・国際業務(技人国)」への在留資格変更ガイド

留学生から「技術・人文知識・国際業務(技人国)」への在留資格変更ガイド
秋が深まりつつある時期になりました。
さて、卒業論文に汗をかきながら来年の4月からは新入社員としてバリバリ働くぞ!
という留学生の方も多いと思いますし、採用活動ご担当者様も,
再来年の新入社員を迎えるべく準備されている時期かと思います。
新卒として日本企業に就職する外国人留学生が文系・理系ともに年々増えています。
しかし「留学」の資格のまま就労を続けてしまうと、不法就労扱いになるリスクがあるため注意が必要です。
本記事では、留学生が「技術・人文知識・国際業務(技人国)」ビザ等へ変更する際のポイントを、行政書士の視点から分かりやすく解説します。
1. なぜ在留資格の変更が必要か
在留資格は『日本でどのような活動ができるか』を定めるルールです。
留学生の在留資格で認められるのは学業が中心で、就労は資格外活動許可の範囲(原則週28時間以内)に限定されます。
「留学」の在留資格で働き続けると、知らないうちに資格外活動となり、不法就労扱いになるおそれがあります。
こうしたトラブルを防ぐために、就職先での業務内容に適したビザ(多くは「技人国」)へ変更することが必要です。
2. いつ申請すべきか(タイミング)
- 内定が決まったら準備開始(会社書類の取得に時間がかかるため)。
- 就職開始日の前日までに提出できるのが理想(審査1〜2か月を想定)。
- 卒業後に就職先が未定の場合は「特定活動(就職活動)」へ変更して活動継続。
- 在留期間の満了前に必ず申請する(満了ギリギリは非推奨)。
- 令和7年9月の出入国在留管理庁公表による標準審査期間は約48.3日(約1.5か月)。余裕をもって2か月前の申請を心がけましょう。
出典:法務省 出入国在留管理庁 審査期間統計(PDF)
3. どう進めるか(手続きの流れ)
- Step 1|内定・採用証明の取得(会社から内定通知・採用証明を受け取ります)
- Step 2|学歴・成績の証明(卒業証明書・成績証明書を学校から取得)
- Step 3|会社側書類の準備(登記事項証明書・決算書など)
- Step 4|在留資格変更許可申請書の作成(職務内容・給与・勤務地などを正確に記載)
- Step 5|出入国在留管理局への提出(本人または申請取次行政書士が行う)
- Step 6|審査〜許可・カード受領(目安2か月、各書類の整合性が重要)
各書類の記載内容や整合性によって審査結果が左右されるため、専門家による事前チェックをおすすめします。
4. 注意点・よくある誤解
- 専攻と職務の関連性が薄いと不許可リスクが上がる。
- 入社後すぐの実務配属変更で予定職務と異なる業務になると説明が必要。
- 在留期限ギリギリの提出は避ける。
- アルバイト28時間は資格外活動許可を受けている場合で在学中のみ。卒業後は継続不可。
- 内定取消の場合は特定活動(就職活動)への切替を検討。
不許可リスクを避けるためには「専攻と業務内容の関係性を説明できるか」が鍵です。書類上での説明に不安がある場合は、早めに専門家へ相談しましょう。
5. 行政書士がサポートできること
- 本人・企業へのヒアリングと要件適合性の事前診断を行います。
- 理由書・会社概要書の作成/ブラッシュアップをサポートします。
- 書類取りまとめ・申請取次(出入国在留管理局への提出)を代行します。
- 許可後の更新・在留運用に関するアドバイスを行います。
