補助金は「誰でももらえる」わけではない ― 申請前に企業が必ず整理すべき3つのポイント

補助金について調べていると、
「条件を満たせばもらえるもの」
「とりあえず申請すれば可能性があるもの」
という印象を持たれることがあります。
実際の相談の中でも、
「申請すれば採択されますよね?」
「ダメ元で出してみようと思っている」
といった声を聞くことは少なくありません。
しかし、補助金は
申請すれば必ず受け取れる制度ではありません。
本記事では、補助金を検討する企業が
申請前に必ず整理しておくべきポイントを、
行政書士の視点から分かりやすく解説します。
補助金は「審査される制度」である
補助金は、いわゆる「給付金」とは異なり、
審査を経て採択される制度です。
公募要領には、
- 対象となる事業
- 評価の視点
- 審査基準
が定められており、
提出された事業計画書の内容をもとに
採択・不採択が判断されます。
そのため、
要件を満たしていても不採択になることは珍しくありません。
補助金は
「条件を満たせば自動的にもらえるもの」ではなく、
事業内容や計画の妥当性を評価される制度
であることを、まず理解しておく必要があります。
申請前に整理すべき3つのポイント
何のための事業なのかを説明できるか
補助金申請では、
「売上を伸ばしたい」「設備を導入したい」
という理由だけでは不十分です。
- 自社が抱えている課題は何か
- その課題をどう解決したいのか
- なぜ補助事業が必要なのか
といった流れを、
第三者に説明できる形で整理できているか
が重要になります。
事業の目的が曖昧なままでは、
計画全体の説得力も弱くなってしまいます。
事業計画が「実行できる内容」になっているか
補助金の審査では、
計画の立派さよりも、
実行可能性が重視されます。
- 数字が現実的か
- 人員や体制は整っているか
- スケジュールに無理はないか
書類上は魅力的でも、
実行できる根拠が乏しい計画は
評価されにくい傾向があります。
「実際にこの事業を回せるか」
という視点で見直すことが大切です。
補助金ありきの計画になっていないか
注意したいのが、
補助金が出ることを前提にした事業計画
になってしまっているケースです。
- 補助金が出なければ実施できない
- もともと予定していなかった事業
こうした計画は、
審査の過程で不自然に見えることがあります。
補助金はあくまで
事業を後押しする手段であり、
補助金がなくても成り立つ事業であるか
という点も重要な判断材料になります。
補助金の申請は、よく「受験」に例えられます。
募集要項を満たしていることは、
受験資格を持っている状態にすぎません。
受験資格があるからといって、
必ず合格できるわけではないのと同じです。
さらに、補助金の審査は「相対評価」で行われます。
これは、一定の基準を超えたかどうかだけでなく、
同じ公募に応募した他の事業者と比較したうえで、
評価が決まるということです。
受験でも、合格ラインに達している答案が複数あった場合、
その中から限られた人数だけが合格するように、
補助金も、内容が良くても不採択となることがあります。
補助金は、
要件を満たしていれば自動的にもらえる制度ではなく、
他の申請内容との比較の中で判断される制度であることを、
理解しておく必要があります。
「とりあえず申請」が危険な理由
「とりあえず出してみる」という考え方は、
一見リスクがないように思えるかもしれません。
しかし、実際には
- 社内の時間や労力を消耗する
- 不採択の履歴が残る
- 次回以降の申請で説明が必要になる
といった影響が出ることもあります。
補助金申請は、
やればいいものではなく、判断して取り組むもの
だと考える方が安全です。
専門家に相談する意味
専門家に相談することは、
「必ず採択されるようにする」ことではありません。
- 今回の補助金が自社に合っているか
- 今申請すべきか、見送るべきか
- どこを整理すればよいか
といった点を、
申請前に一緒に整理すること
に大きな意味があります。
場合によっては、
「今回は見送った方が良い」という判断に至ることもありますが、
それも重要なリスク管理の一つです。
まとめ
補助金は、
事業を前進させるきっかけになり得る制度ですが、
万能ではありません。
申請前にしっかりと整理を行うことで、
無理のない判断ができるようになります。
「申請するかどうか」から含めて考えることが、
補助金と上手に向き合う第一歩と言えるでしょう。
補助金申請について、
申請するかどうかの判断段階から整理したい場合は、
小規模事業者持続化補助金のサポート内容もご覧ください。
