化粧品を販売するには?初めての上市に向けて、販売方法と必要な確認事項を解説

化粧品を販売する方法と必要な確認事項を解説するアイキャッチ画像

「化粧品を販売してみたい」
「OEMで自社ブランドを作りたい」
「韓国コスメや海外化粧品を輸入して販売したい」

このように考えたとき、最初に整理したいのが、どのような方法で化粧品を販売するのかという点です。

化粧品ビジネスでは、販売方法によって必要な許可や確認事項が変わります。たとえば、国内で化粧品を製造して出荷する場合には、化粧品製造販売業許可と化粧品製造業許可が関係します。また、化粧品を輸入して販売する場合にも、化粧品製造販売業許可や、国内で保管する場所についての化粧品製造業許可が必要になるとされています。

この記事では、化粧品販売を始めたい方向けに、主な販売方法と、販売前に確認しておきたいポイントをわかりやすく解説します。


この記事でわかること

この記事では、次の内容を解説します。

  • 化粧品を販売する主な方法
  • OEM・輸入・自社製造の違い
  • 化粧品製造販売業と化粧品製造業の基本
  • 広告表現や販売後管理で注意したいこと
  • 化粧品販売を始める前に整理すべきポイント

結論:化粧品販売は「売り方」と「責任範囲」の整理から始めましょう

化粧品を販売するには、最初から「どの許可を取るか」だけを考えるのではなく、まずは次の点を整理することが重要です。

  • どのような化粧品を販売するのか
  • 誰に販売するのか
  • OEMで作るのか、輸入するのか、自社で製造するのか
  • 誰が製造販売業者として責任を持つのか
  • EC、代理店、販売店など、どの販売チャネルで届けるのか
  • 広告表現や販売後の管理体制をどう整えるのか

許認可は、化粧品ビジネスを進めるための手段のひとつです。
商品コンセプト、ターゲット、販売方法、商流を整理したうえで、必要な許可や確認事項を検討していきましょう。


化粧品を販売する方法は主に3つ

化粧品を販売する方法は、大きく分けると次の3つです。


OEMでオリジナル化粧品を販売する

1つ目は、OEM会社に製造を依頼し、自社ブランドとして化粧品を販売する方法です。

自社で工場を持たなくても商品化しやすく、D2Cブランド、美容室・サロン専売品、インフルエンサーブランドなどでもよく使われる方法です。

ただし、OEM会社に製造を依頼する場合でも、最終的に誰が製造販売業者として責任を持つのか、表示や広告表現を誰が確認するのかを事前に整理しておく必要があります。

「OEM会社に任せればすべて大丈夫」と考えるのではなく、自社、OEM会社、製造販売業者、販売者の役割分担を確認しておくことが大切です。

OEMで化粧品を販売する場合の許可や役割分担については、こちらの記事で詳しく解説しています。

化粧品OEMで販売する場合の許可と役割分担


海外化粧品を輸入して販売する

2つ目は、海外で販売されている化粧品を輸入し、日本国内で販売する方法です。

韓国コスメや海外ブランドの化粧品を日本で販売したい場合、このパターンに該当することがあります。

ただし、海外で販売されている商品をそのまま日本で販売できるとは限りません。日本国内で販売する場合は、日本の薬機法に適合した成分確認、表示、許認可体制などを確認する必要があります。

東京都健康安全研究センターの案内では、化粧品を輸入して販売する場合にも、化粧品製造販売業許可や、国内で保管する場所についての化粧品製造業許可が必要になると説明されています。

輸入化粧品の場合は、通関、成分、表示、保管、販売後管理など、確認すべきポイントが多くなります。輸入前の段階で、販売スキームを整理しておくことが重要です。


自社で製造して販売する

3つ目は、自社で化粧品を製造し、自社ブランドとして販売する方法です。

この場合は、製造設備や品質管理体制を整える必要があり、OEMや輸入販売と比べるとハードルは高くなります。

東京都健康安全研究センターでは、国内で化粧品を製造して出荷するには、化粧品製造販売業許可と化粧品製造業許可が必要であり、製造販売業許可だけでは製品を製造して出荷することはできないと説明されています。

小規模で始める場合でも、製造業許可や製造販売業許可の要否、製造所の設備、責任者、品質管理体制を慎重に確認する必要があります。


まず確認したいのは「誰が責任を持つのか」

化粧品ビジネスでは、実際に商品を作る会社とは別に、商品を市場に出す責任を負う「製造販売業者」という考え方があります。

OEM会社に製造を依頼する場合でも、海外化粧品を輸入する場合でも、最終的に誰が製造販売業者となるのかによって、必要な許可や責任範囲が変わります。

製造販売業者は、製品を市場に出す立場として、品質管理や安全管理、販売後の対応にも関わります。

東京都健康安全研究センターでは、製造販売業者は製造販売する製品について、適正な品質を確保するために品質管理に関する業務を行う必要があると説明しています。また、製造販売後安全管理についても、品質・有効性・安全性に関する情報の収集、検討、その結果に基づく必要な措置を行うものとされています。

つまり、化粧品販売では「誰が作るのか」だけでなく、誰が市場に出す責任を持つのかを整理することが重要です。


化粧品製造販売業と化粧品製造業の違い

化粧品ビジネスでよく混同されるのが、化粧品製造販売業化粧品製造業です。

名前は似ていますが、役割は大きく異なります。

化粧品製造販売業と化粧品製造業の違いについては、こちらの記事で詳しく解説しています。

化粧品製造販売業と製造業の違い


化粧品製造販売業とは

化粧品製造販売業は、化粧品を市場に出す責任を持つための許可です。

ここでいう「製造販売」は、単に商品を売るという意味ではありません。
製造業者に製造させた製品について、品質等を確認し、市場への出荷可否判定を行い、市場に出荷することを指します。

製造販売業者は、商品を市場に出す責任者として、品質管理や安全管理の体制を整える必要があります。


化粧品製造業とは

化粧品製造業は、実際に製造、充填、包装、表示、保管などを行うための許可です。

たとえば、化粧品の中身を作る、容器に充填する、ラベルを貼る、包装する、保管するなどの行為が関係します。

東京都健康安全研究センターの製造業に関する案内では、化粧品製造業の許可区分として、製造工程の全部または一部を行う「一般区分」と、包装・表示・保管のみを行う区分が示されています。

製造販売業と製造業は、どちらか一方だけを見ればよいものではなく、販売方法や事業者の役割に応じて、必要な許可を確認する必要があります。


許認可だけでなく、広告表現にも注意が必要

化粧品ビジネスでは、許認可だけでなく、販売ページ、広告、SNS、LP、商品説明などの表現にも注意が必要です。

コンプライアンスを遵守している販売店には独自にメーカーや卸が提出した資料に関して薬機法のチェックを行っている企業もありますが、自社でのチェックが大前提です。

医薬品等適正広告基準は、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器などの広告が虚偽・誇大にならないようにし、広告の適正を図ることを目的としています。また、ウェブサイトやSNSなど、すべての媒体における広告が対象とされています。

たとえば、化粧品であるにもかかわらず、医薬品のような効果を示す表現や、事実よりも著しく優良であると誤認されるような表現は問題となる可能性があります。

景品表示法の観点でも、消費者庁の資料では、表示全体から一般消費者がどのような印象や認識を持つかを考え、実際の内容などと比べて顧客に誤解されないようにすることが基本とされています。

化粧品販売では、商品ページ、広告バナー、SNS投稿、Amazonや楽天の商品説明なども含めて、販売開始前から広告表現の確認体制を整えておくことが大切です。


販売後の品質管理・回収対応も考えておく

化粧品は、販売して終わりではありません。

販売後に、肌トラブル、異物混入、表示ミス、クレームなどが発生する可能性もあります。
そのような場合に備えて、クレーム対応や自主回収のルールを整えておくことが重要です。

GQP省令は製造販売業の許可要件とされており、新規許可申請時には、教育訓練や自己点検などの実績がまだない場合でも、手順書や実施計画書などをあらかじめ整備し、許可後直ちに実施可能な体制を構築していることをもって要件を満たすものと判断するとされています。

つまり、化粧品ビジネスでは、許可を取得する前から、販売後の品質管理や安全管理の体制も見据えて準備することが大切です。

化粧品販売開始までの全体フローを表す図解画像

化粧品ビジネスでは、許認可の確認だけでなく、販売チャネルや商流の整理も重要です。代理店、販売店、ECなど、どのルートで商品を届けるのかを早い段階で考えておくことで、販売開始後の動きがスムーズになります。

化粧品は許可を取れば売れるわけではない

化粧品は、許認可を取得すれば自動的に売れるものではありません。

代理店との取引、販売店への導入、ECでの見せ方、広告表現、販売後の管理体制まで含めて、事業として設計することが重要です。

たとえば、販売店に商品を導入する場合には、代理店との取引、棚割、販促物、商品説明、売場でのプロモーション提案なども関係します。ECで販売する場合には、商品ページ、レビュー、広告戦略、在庫管理、配送、問い合わせ対応なども考える必要があります。

そのため、最初から「どの許可を取るか」だけを考えるのではなく、次のような視点で整理することが大切です。

  • どのようなお客様に届けたいのか
  • どの販売チャネルで販売するのか
  • OEM会社、製造業者、販売者の役割分担はどうするのか
  • 広告表現や表示は誰が確認するのか
  • 販売後のクレームや回収対応はどうするのか

化粧品ビジネスでは、許認可・OEM・輸入・広告表現・商流・販売チャネルをあわせて整理することで、販売開始後のトラブルを防ぎやすくなります。

化粧品ビジネスの立ち上げにあたり、許認可や販売方法、商流整理について相談したい方は、当事務所の「化粧品ブランド立ち上げ・許認可サポート」ページもご覧ください。


まとめ:化粧品販売は「販売方法」と「責任範囲」の整理から始めましょう

化粧品を販売するには、まず販売方法と責任範囲を整理することが重要です。

この記事のポイントをまとめると、次のとおりです。

  • 化粧品の販売方法には、OEM、輸入、自社製造などがある
  • 販売方法によって必要な許可や確認事項が変わる
  • 実際に作る会社と、市場に出す責任を持つ会社は異なる場合がある
  • 化粧品製造販売業と化粧品製造業は役割が異なる
  • 広告表現や景品表示法にも注意が必要
  • 販売後の品質管理や回収対応も事前に考えておく必要がある
  • 許認可は目的ではなく、事業を進めるための手段のひとつ

化粧品を販売したいけれど、何から確認すればよいかわからないという段階でも、商品コンセプト、ターゲット、販売チャネル、商流を整理することで、必要な許可や確認事項が見えやすくなります。

化粧品ビジネスの立ち上げでお悩みの方へ

化粧品ビジネスでは、販売方法や事業者の役割によって、必要な許可や確認事項が変わります。

当事務所では、約20年間の化粧品業界での営業・EC経験を活かし、OEM・輸入・自社製造・EC販売など、現在の事業構想をお聞きしたうえで、必要な許認可や商流・販売チャネルを一緒に整理しています。

「化粧品を販売したいけれど、何から確認すればよいかわからない」という段階でもご相談いただけます。