輸入化粧品を日本国内で販売するには?必要な許可・届出と確認事項を解説
海外ブランドの化粧品や韓国コスメ、アジアコスメなどを仕入れて、日本国内で販売したいと考える事業者は増えています。
一方で、化粧品は薬機法の規制対象となるため、「海外で販売されている商品だから、そのまま日本でも販売できる」というわけではありません。
輸入化粧品を日本国内で販売する場合は、販売方法、輸入元、保管場所、表示、成分、広告表現などを整理したうえで、必要な許可や届出を確認することが重要です。
この記事では、輸入化粧品を日本国内で販売する際に確認したい許可・届出・実務上の注意点を、初心者向けにわかりやすく解説します。
この記事でわかること
この記事では、次の内容を解説します。
・輸入化粧品を販売する際に必要となる主な許可
・化粧品製造販売業許可と化粧品製造業許可の考え方
・化粧品製造販売届や外国製造業者届の概要
・輸入前に確認しておきたい成分・表示・広告表現の注意点
・輸入化粧品ビジネスを始める前に整理しておきたいこと
輸入化粧品市場は拡大傾向にある
輸入化粧品は、国内の化粧品ビジネスにおいて存在感を高めています。
日本化粧品工業会が公表している「化粧品の輸出入」によると、財務省貿易統計に基づく化粧品の輸出入金額は、輸出・輸入のいずれも長期にわたり増加傾向にあります。特に輸入については、従来はフランスやアメリカが上位を占めていましたが、近年は中国・韓国などアジア地域からの輸入の伸びが顕著で、韓国からの輸入は2022年以降、輸入先国の1位となっています。
大手バラエティショップでも韓国コスメ特化のイベントが隆盛を極めていると思います。
このように、海外ブランドやアジアコスメを日本国内で販売する動きは広がっています。
一方で、輸入化粧品は単なる海外商品の仕入れではありません。
日本国内で販売する場合には、誰が国内の責任者となるのか、どこで保管するのか、どのように表示や広告表現を管理するのかを整理する必要があります。
輸入化粧品ビジネスでは、市場の広がりだけでなく、薬機法上の許可・届出、成分確認、表示、広告表現まで含めて、事前に確認しておくことが重要です。
結論:輸入化粧品の販売には許可・届出の確認が必要です
輸入化粧品を日本国内で販売する場合、原則として、国内で市場に出荷する責任者としての化粧品製造販売業許可が必要です。
また、輸入した化粧品を国内で保管し、表示や包装、出荷判定などに関わる場合には、国内の保管場所について化粧品製造業許可が必要となる場合があります。
東京都健康安全研究センターでは、化粧品を輸入して販売する場合であっても、化粧品製造販売業許可と、国内で保管する場所について化粧品製造業許可、包装等区分が必要と案内しています。
さらに、品目ごとの化粧品製造販売届や、海外の製造元等に関する化粧品外国製造販売業者届書・化粧品外国製造業者届書も確認が必要です。
つまり、輸入化粧品の販売では、商品を仕入れる前の段階で、商流・保管場所・表示・届出・販売チャネルを整理しておくことが重要です。
輸入化粧品は「仕入れて売るだけ」ではない
輸入化粧品の販売でよくある誤解が、「海外で普通に売られている商品なら、日本でもそのまま販売できるのではないか」というものです。
しかし、化粧品を日本国内で販売する場合には、日本の薬機法上のルールを確認する必要があります。
特に注意したいのは、個人が自分で使用するために海外から購入する場合と、事業として日本国内で販売する場合では、考え方が異なるという点です。
事業として輸入化粧品を販売する場合は、単に商品を仕入れるだけでなく、国内で誰が責任を負うのか、どこで保管するのか、どのような表示を行うのか、広告表現に問題がないかを確認する必要があります。
輸入化粧品は、海外ブランドを日本に持ち込むビジネスであると同時に、日本国内の消費者に向けて安全性・表示・品質管理を整えるビジネスでもあります。
輸入化粧品の販売で必要になる主な許可・届出
輸入化粧品を日本国内で販売する際には、主に次のような許可・届出が関係します。
| 手続き | 主な役割 | ポイント |
|---|---|---|
| 化粧品製造販売業許可 | 国内市場に出荷する責任者になるための許可 | 品質管理・安全管理体制が必要 |
| 化粧品製造業許可 | 包装・表示・保管などを行う場所に関する許可 | 輸入品の国内保管場所でも必要になる場合あり |
| 化粧品製造販売届 | 品目ごとの届出 | 市場出荷前に確認が必要 |
| 化粧品外国製造販売業者届書・化粧品外国製造業者届書 | 海外の製造元等に関する届出 | PMDAを経由した手続きが関係する |
それぞれの手続きは、単独で考えるのではなく、輸入する商品、国内の保管場所、販売方法、関係事業者の役割分担とあわせて整理することが重要です。
化粧品製造販売業許可とは
化粧品製造販売業許可とは、化粧品を日本国内の市場に出荷するために必要となる許可です。
ここでいう「製造販売」は、一般的な意味での販売とは少し異なります。
化粧品製造販売業者は、市場に出荷した製品について責任を負う立場です。東京都健康安全研究センターでも、化粧品製造販売業許可は市場に出荷した製品について責任を負うものと説明されています。
そのため、輸入化粧品であっても、日本国内で販売する以上、国内で市場出荷の責任を負う事業者が必要になります。
化粧品製造販売業許可を取得するためには、品質管理や安全管理に関する体制を整える必要があります。
単に商品を販売するだけではなく、商品が市場に出た後の品質や安全性に関する責任も含めて考える必要があります。
化粧品製造業許可とは
輸入化粧品の場合、「海外で製造された商品なのに、なぜ日本で製造業許可が必要なのか」と疑問に思う方もいるかもしれません。
ここでいう化粧品製造業は、中身を作る工場だけを意味するものではありません。
化粧品の包装、表示、保管なども、薬機法上の製造工程として扱われる場合があります。
たとえば、輸入した化粧品を国内の倉庫で保管する場合、日本語表示ラベルを貼る場合、出荷前の確認を行う場合などには、化粧品製造業許可の確認が必要です。
東京都健康安全研究センターでは、化粧品を輸入して販売する場合であっても、国内で保管する場所について化粧品製造業許可、包装等区分が必要と案内しています。
そのため、輸入化粧品ビジネスでは、商品をどこに輸入し、どこで保管し、どこで表示や出荷判定を行うのかを事前に整理しておくことが重要です。
品目ごとの化粧品製造販売届も必要
輸入化粧品を日本国内で販売する場合、許可だけでなく、品目ごとの届出も確認する必要があります。
東京都健康安全研究センターでは、化粧品を海外から輸入または国内製造する場合に、化粧品製造販売届書を提出して副本の交付を受けると案内しています。
また、平成28年1月1日から輸入届は不要となり、通関時には化粧品製造販売業許可証の写しや製造販売届書の写し等が必要になると案内されています。詳細は各税関への確認が必要です。
つまり、輸入化粧品を販売する場合は、「許可を取れば終わり」ではなく、取り扱う品目ごとに必要な届出や通関時の確認事項も整理しておく必要があります。
海外の製造元に関する届出も確認する
輸入化粧品では、海外の製造元に関する届出も関係します。
PMDAの資料では、外国で製造された化粧品を輸入し、国内で製造販売するためには、外国において化粧品を製造販売または製造する者の氏名等を厚生労働大臣に届け出る必要があるとされています。
そのため、海外メーカーや海外製造所との取引を始める前に、次のような情報を確認しておくことが重要です。
・海外メーカーの名称
・海外製造所の情報
・商品の成分情報
・販売名や表示内容
・日本国内での販売方法
・国内での責任者や保管場所
輸入化粧品は、商品そのものだけでなく、海外側と国内側の情報をつなげて整理する必要があります。
輸入前に確認しておきたい注意点
輸入化粧品を販売する場合、許可や届出だけでなく、実際の商品内容や販売方法についても確認が必要です。
ここでは、輸入前に確認しておきたい主な注意点を整理します。
成分が日本で販売できる内容か
海外で販売されている化粧品であっても、日本で同じように販売できるとは限りません。
日本国内で化粧品として販売する場合、配合成分や効能効果の表現が日本のルールに合っているかを確認する必要があります。
特に、海外では化粧品として販売されている商品でも、日本では医薬部外品や医薬品に近い表現・成分として問題になる可能性があります。
輸入前の段階で、成分表や商品説明を確認しておくことが重要です。
日本語表示に対応できるか
輸入化粧品を日本国内で販売する場合、日本国内向けの表示も確認が必要です。
たとえば、販売名、成分表示、内容量、製造販売業者名、使用上の注意など、国内販売に必要な表示事項を整理する必要があります。
海外パッケージのまま販売できるとは限らず、日本語ラベルの作成や表示内容の確認が必要になる場合があります。
表示は消費者が商品を選び、安全に使用するための重要な情報です。
そのため、輸入前に、どこで日本語表示を行うのか、誰が表示内容を確認するのかを整理しておくことが大切です。
広告表現が日本のルールに合っているか
輸入化粧品では、海外ブランドのLP、SNS、商品説明文をそのまま翻訳して使いたくなる場面があります。
しかし、海外で使われている表現をそのまま日本語にすると、日本の薬機法や景品表示法上、問題となる可能性があります。
たとえば、シミ、シワ、ニキビ、若返り、治療、再生などの表現は、化粧品として使える範囲を慎重に確認する必要があります。
輸入化粧品をECサイトやSNSで販売する場合は、商品ページ、広告文、SNS投稿、LPなどの表現も含めて確認しておくことが重要です。
誰が国内の責任者になるか
輸入化粧品ビジネスでは、関係者が複数になることがあります。
たとえば、海外メーカー、輸入元、国内販売者、倉庫会社、EC運営者、広告代理店などが関係するケースです。
このとき、誰が化粧品製造販売業者になるのか、どこが製造業許可を持つ保管場所になるのか、誰が表示や広告表現を確認するのかが曖昧なままだと、後で問題になりやすくなります。
輸入化粧品を販売する前に、関係者ごとの役割と責任範囲を整理しておくことが重要です。
輸入化粧品ビジネスでよくある注意点
輸入化粧品の販売では、次のような点に注意が必要です。
・海外で人気の商品だからといって、日本でそのまま販売できるとは限らない
・個人輸入と事業としての輸入販売は考え方が異なる
・国内で市場出荷する責任者を整理する必要がある
・国内の保管場所や表示作業の場所を確認する必要がある
・品目ごとの届出が必要になる
・海外メーカーや海外製造所に関する情報確認が必要になる
・広告表現を海外の表現からそのまま翻訳すると問題になる可能性がある
輸入化粧品は、市場としては魅力がありますが、事前の確認をせずに進めると、販売開始直前や通関時、広告出稿時に問題が見つかることがあります。
そのため、商品を仕入れる前、契約を結ぶ前、販売ページを作る前の段階で、必要な確認事項を整理しておくことが大切です。
当事務所では、輸入前の事業整理からサポートします
輸入化粧品の販売では、許可や届出だけでなく、販売方法や商流の整理が重要です。
たとえば、次のような点を事前に確認しておく必要があります。
・どの国の、どのメーカーの商品を扱うのか
・日本国内で誰が製造販売業者になるのか
・商品をどこで保管するのか
・日本語表示をどこで行うのか
・EC販売、卸売、サロン販売など、どのチャネルで販売するのか
・広告表現や商品ページをどのように管理するのか
ユアーズ(yours)行政書士事務所では、化粧品業界での営業・EC経験を活かし、単なる許認可申請だけでなく、輸入化粧品を日本国内で販売するための商流・許認可・表示・広告表現の確認事項を事業者目線で整理します。
「海外化粧品を仕入れたいが、何から確認すればよいかわからない」
「自社にどの許可が必要なのか知りたい」
「輸入元、倉庫、販売ページの役割分担を整理したい」
このような段階からご相談いただけます。
まとめ
輸入化粧品市場は、近年存在感を高めています。
日本化粧品工業会の統計でも、化粧品の輸入金額は長期的に増加傾向にあり、近年は韓国や中国などアジア地域からの輸入の伸びが顕著とされています。
一方で、輸入化粧品を日本国内で販売する場合は、単に商品を仕入れて販売するだけではありません。
化粧品製造販売業許可、化粧品製造業許可、品目ごとの化粧品製造販売届、海外製造元に関する届出、成分、表示、広告表現などを総合的に確認する必要があります。
輸入化粧品ビジネスをスムーズに始めるためには、商品を仕入れる前の段階で、商流と許認可の全体像を整理しておくことが重要です。
輸入化粧品の販売を検討している方へ
海外化粧品を日本国内で販売する場合、商品を仕入れる前に、必要な許可・届出・表示・広告表現を整理しておくことが重要です。
「この商品は日本で販売できるのか」
「自社にどの許可が必要なのか」
「輸入元や倉庫、販売ページの役割分担をどう考えればよいのか」
このようなお悩みがある方は、ユアーズ(yours)行政書士事務所の化粧品ブランド立ち上げ・許認可サポートをご確認ください。
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